旅いろいろ

delicatearchsm
アーチーズ2日間

mvgsm
アーチーズとモニュメントバレー3日間

mammothsm
イエローストーン3日間

zionsm
グランドサークル

yogasm
ヨガツアー

wolfsm
イエローストーンのオオカミ

wavesm
大自然の秘境ウェーブ

sedonasm
赤い大地のパワー

gcbackpacksm
体験談

さあ、きたぞ。ザイオンナローズ。

<ザイオンナローズを歩くDay1より続く>
まずはテントを張る。そしてコーヒーを入れながらのんびりと。テントサイトはその名のとおり大きな岩が後手にあり、きれいな砂が敷き詰められたすばらしい テントサイトだ。インスタントカメラしか持っていかなかった私は、それでもせっせとテントサイトの写真をとったが、一枚もうまく写っていなかった。空を見 上げると、両側にそびえたつ岩の間に、川が流れるように少し青空が見えているだけ。光なんか届かないのもあたりまえ。もちろん周りには人は誰もいない。テ ントの上に落ちる葉の音がきちんと聞こえるくらい静かだ。
ちょっと早いけど夕飯の準備。ごく簡単に水をいれるだけでできるごはんと、魚の缶詰、そしてインスタントの味噌汁。世の中便利なものです。さっさとごはんも済ませて、さあまたお茶。
http://www.pacificco.net/images/narrows03.jpg翌日は早めに出発しなければならない。ウェットスーツのレンタルやさんにも一日レンタルって言ってきた。明るいうちからさっさと寝袋の中にもぐりこむ。天 気はよさそうだったので、テントのレインフライは使っていない。したがって、寝ながらでもスクリーンを通して空が見える。今から眠ったら夜中に目がさめる だろうなあ。と思いつつ寝入ってしまう。
やっぱり何時かわからないけれど目がさめた。真っ暗な中にやっぱり川のように星が見えていた。たぶんとっても小さな何かの動物だと思うんだけれど、かさか さと動く音が聞こえる。普段であれば聞こえないような音なのに、あまりにも周りが静かなのでちょっとした音にも神経がぴりぴりととがる。それでも疲れのほ うが勝ったようで、またまもなく眠ってしまった。
起床、そしてもちろん朝のコーヒーを一杯。さっさとテントもたたみ、またパックをしょってさあ出発。ちょっと行くと昨日であった男性2人組みのテントサイ トの横をとおる。「おはよう」などと声をかけえながら、向こうが「今何時?」って聞いてきたので、「8:30だよ。」というと「さっさと活動しないと、俺 たちBum(ぐうたら)だよなあ。」って。きっとそれでも彼らは私にすぐおいついてくるんだろうなあ。って思いながら先を行った。
ここからは目印になるものがちょこちょことあるはず。Big Springsというところまでやってくると、その先また3.5kmほどまた両側が切り立っ た岩だけになるNarrowsはず。やっぱり水かさが高くなってくるせいか、昨日はせいぜいひざくらいまでしか水につからなかったのに、ひざ上までやって くることしばしば。時には股下までやってくる。左側にBig Springsらしきもの発見。いよいろここからもっとも長いナローズに入っていくことに なる。もうここまでくると、ひざ上までつかりながら歩くのも普通になってっくる。こちらからがいいだろうと思って進んでみると、えらく深くなっていてそこ からすすめないようになり、また何十メートルも引き戻して、、、というようなことがひんぱんになる。それでもなんとかバックパックの底が少しぬれるくらい のところですんでいた。そしてとうとう、きた。「いやあこりゃあ困った。」川の中ほどはずいぶん深そう。右には大きな岩がつきでていて、その周辺もずいぶ ん深そう。これは左しかないなあ、というその左側も途中まではいいんだけれどその先が足元が泥で、その先にやはり大きな岩、岩の向こうは砂がずいぶんた まっていそうで、そこまでいけば足が届きそうなんだけれど。でもその岩までがいけない。ためしに右側もトライしてみる。やっぱり思ったとおり。深すぎてど うにもならない。もう一度左側へ。もう少しで岩に、、というところで足をすくわれる。冷たいと思う前に、「やばい」というあせりで頭の中が真っ白になる。 やっとの思いで岩にしがみつくことができた。思ったとおり、岩の向こう側はずいぶん浅い。そちら側まで回りこむと、身体がずいぶん重いことに気がついた。 背中についているファスナーからウェットスーツの中に水がどばっと入り込んだらしい。足首のところは水がはいってこないように、ぴちっとガスケットになっ ている。つまり上から入った水は下には抜けないってこと。私は水をつめた風船のようになってしまった。
http://www.pacificco.net/images/narrows04.jpgちょっと先の岩にパックをおろして腰をかける。水を抜かないといけない。ついでにびっちょになった服も着替えないといけない。10月といえども日があたる わけではなく、水は冷たいし、ぬれたままでは歩けない。誰も周りにいないことをいいことに、さっさと全部着替えてしまった。この作業はけっこうたいへん だった。
さてとまた腰をあげ、少し歩き出すと、後ろから「ひょー。」などという声が聞こえてくる。降りかえって見ると例の2人組、例の難関を私と同じルートをとっ てやってくるのがみえる。アメリカ人の彼らの胸のあたりまで水がきている。どうりで私は足がとどかなかったはずだ。と妙に納得した。
「私は泳いだよ。」といったら、「そりゃ、惜しいもの見逃した。」って言いながら、一緒に歩きたきゃついてくれば。って言ってくれたけれど、20分くらいもしたらどんどん差がついて見えなくなってしまった。
バックパックの重みから足の関節が痛い。この長いナローズを超えたらOrderville Canyonが見えて、そこから少しでTemple of Sinawavaのはず。
そのナローズを超えた辺りから、下流から上がってくる人々に出会い出す。これは終点に近くなってきたなによりの証拠。どうやらあんなに楽しみにしていた Ordervilleの川が流れ込むところにも気がつかなかったらしく、Temple of Sinawavaに到着。観光客の人々がたくさんいる。そん な目もきにせず、まだ残っているウェットスーツの中の水をだす。ざばざばとでてくる水をなんとなく周りの人々が、「この人、なんだね。」というような顔で みているのがわかる。いやあ、太陽の日があたって暖かい。いやあ、歩きましたよ。
なんといってもZionのナローズの自然に正面から向かいあえたことがこのハイキングの醍醐味でした。一人でなんて、というけれど、私もそう思ったけ れど、やっぱり一人だと自然の中に入り込みやすい、より深くその懐に入り込めるっていう点では、ちょっとやそっとでやめられそうにありません。たいへん だったけれど、何度でも行っていいよ。って思えるようなところでした。